身勝手な恋情【完結】

その眼差しはとても優しくて、だからこそ胸が締め付けられて仕方なかった。

蓮さんはこれからいったいどうするつもりなんだろう。



「……可憐さん、おうちに居場所がないの?」

「ああ」



よく眠っているけれど起こしては大変だ。

声を押さえて尋ねると、彼は軽くうなずき、可憐さんの頬にかかる黒髪を指で取り除きながら口を開いた。



「知寿は仕事を理由に家には戻らないらしい。親父もね」

「――」

「15年前に勘当された兄に頼ろうなんて、バカバカしいにもほどがある」

「蓮さん……」

「要するに、どうしようもないくらい、もう家の中はバラバラなんだ」

「どうにかできないんですか?」

「――知寿が帰る気にならないことには難しいね」

「――」



人のおうちのことだし……

私がどうこう言える立場じゃないのはわかっていけれど――






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