身勝手な恋情【完結】

いや、それだけじゃない。傷ついた顔を私に見られたくないから、だ。

私を好きになってくれたからこそ、私の反応に傷つけられたくなくて、1ミリだって傷つきたくなくて、逃げるんだ。


そして傷つけられる前にもっとひどいことを言って傷つけたあとは

手を変え品を変え、甘やかして、私を取り込もうとする……。





「蓮さんの、馬鹿!」



叫んで、彼の背中を追いかける。


そして彼の前に回り込んで、力いっぱい、両腕で彼を部屋の中に押し込んだ。



「ここは蓮さんの部屋でしょ!? だから蓮さんが出て行く必要ないっ……!」

「っ……」



蓮さんの端整な顔が歪む。



「わ、わた、私が、出て行きます……」



そして凍り付く蓮さんの前で、ぴしゃっとドアを閉めた。



――――……



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