身勝手な恋情【完結】
「櫻さん、二次会はここだからね」
「うん、わかった。ありがとう」
元同僚に小さな半紙に描かれた地図を貰って、開始時間を確かめる。
二次会は夕方6時からだ。
まだ数時間余裕がある。
もちろんホテルに戻ってもいいのだけれど――
自然と私の足は『COFFEE MODERN JAZZ CLUB NOAH』へと向かっていた。
ドキドキしながらドアを押しあけると、中から「いらっしゃいませ」という懐かしい声……。
「こんばんは……」
もう私のことなんか忘れちゃったかな、なんて一瞬考えたのもつかの間
「あ! ひよさんじゃないか!」
まったく変わっていない様子の草介さんが、カウンターの中から飛び出してきた。