身勝手な恋情【完結】
「御無沙汰してます、あの」
ちゃんとした挨拶もしないまま実家に帰ってしまった私。
なんだか気まずくて、背の高い草介さんを上目遣いで見上げてしまう。
だけど――
「おめかししてるね? 結婚式の帰り?」
「あ、はい。6時から二次会で……」
こっくりとうなずく私。
「なに飲む? カウンターしか空いてないけど、いい?」
「じゃあ、カフェオレ!」
「かしこまりました。どうぞお座りください」
彼はにっこりと笑って、私の引き出物が入った紙袋を持ってくれ、席へと座らせ、カウンターの中へと戻る。
そして丁寧にカフェオレを淹れ、チョコチップクッキーとカフェオレボウルを私の前に置く。
かれこれ1年10か月、二年近くも姿を見せなかったのに、彼が以前と変わらない雰囲気で受け入れてくれるとは思わなかった。