身勝手な恋情【完結】
「あの、何も言わずに来なくなってすみませんでした。たくさんお世話になったのに……」
「そんなこと気にしなくていいよ。俺とひよさんは、喫茶店のマスターとお客さんなんだから。久しぶりでもなんでも、ノアを思い出して来てくれたらすごく嬉しい。それだけだよ」
「草介さん……」
ああ、ここってそういう場所なんだ。
なんだかあったかい……。
また受け入れてもられたと思うと、本当に嬉しくて、胸が熱くなって、じわっと目の端に涙が浮かんだ。
それで私は、母のこと、地元に帰ったこと、それで大好きだった人と自分から離れたこと
勉強を始めたこと、なんかをポツポツと草介さんに話して……
「だから、後悔はありません」
そう言葉を結んだ。
黙って聞いてくれていた草介さんは、全てを聞き終わった後、
「幸せそうでよかったよ」
と、満足げに微笑む。