身勝手な恋情【完結】
そして草介さんは
「だから幸せそうで良かったって思ったんだけど……だけど、ひよさん、それだけでいいの? 本当は何かが足りないんじゃない?」
とニッコリと笑う。
何かが足りない?
何が足りない?
時間は待ってくれない。
次の瞬間、今起こったはずの全ては過去になる。
何がベストだったかなんて、誰にもわからない。神様にだって私の本当に望むことはわからないだろう。
ただ、もう過去にはもう戻れないから
せめて、蓮さんが背中を押してくれたから、勉強がんばろう、とか……
過去を認めつつ、前に一歩でも進むことでしか、自分を慰めることはできないと思っていた……。
慰める?
思わずハッとした。
私、そうやって自分のこと慰めてたんだろうか……。
「――」
思わずうつむく私。
わかってる。何が足りないのか、なんて。あの瞬間からずっと――わかってた。