身勝手な恋情【完結】
「電話? ごめん、充電切れちゃってて見てない……」
「もーっ!!! ばかひよ! 本当にもう、間に合わないかと思っちゃった!」
「ごめんごめん」
必死に謝り倒す私をよそに、和美はぷうっと頬を膨らませたけれど――
急に真面目な顔になり、私の手を握る。
「早く!」
「なにが?」
そして会場の奥へと小走りで向かった。
「祐さん、やっと姫君の登場よ!」
ん?
姫君????
すると自ら司会進行を務めているらしい祐さんが、あの人のよさそうなあったかい笑顔で、私に向かって大きく手を振った。