身勝手な恋情【完結】

「おまえっ……!」



恐ろしく不機嫌そうな低い声。


一瞬ドキッとしたけど――

彼はこっくりとうなずく。



「当たり前だろ。ずっと後悔してたよ。だから今度は取り戻そうって思ったんだ」



一気に目の前の輪郭が、世界が淡くにじんだ。



「だったら、嬉しい」



ぼろぼろと涙がこぼれる。



「嬉しい……?」

「はい。嬉しいです……すごく、蓮さんが考えてるよりもずっと……」

「あ……そう」



なんだか拍子抜けしたように蓮さんは目をぱちぱちさせている。



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