身勝手な恋情【完結】
「社長……」
「蓮」
出したお茶も飲まずに、視線も合わないまま彼は自分の名前を口にする。
え!?
それって名前を呼んでいいってこと……?
「れ、蓮さん……あの、カレー食べますか?」
ドギマギしつつ、そして半分くらいはいらないと言われそうだな、と思ったけど、問いかけた。
「おなか空いてるんですよね? あの、野菜カレーなんですけど……」
「言われなきゃやらないなんて……お前、馬鹿?」
彼は私を見ないまま、抱えた膝の上にあごを乗せてため息をつく。
要するに「カレー食べる」ってことらしい。