身勝手な恋情【完結】

私を見つめる蓮さんの瞳が静かに燃えている。


きれい……


いつもは怖いと思う彼の三白眼は、白目が少し青みがかっていて、至近距離で見ると美しい。

魅入られずにはいられない。

と同時に、心臓が静かに高鳴り始める。



「蓮さ……」

「黙って」



彼の名前を呼ぶ前に、唇の上に彼の指が乗せられた。



「――」

「ひよ……今からお前をいたぶるよ?」

「――ッ」



頬がカッと熱を持つ。


ううん。頬だけじゃない。

体の奥の、普段は意識すらしない何かに……火をつけられた瞬間だった。




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