身勝手な恋情【完結】
「ッ……」
ぽたぽたと涙が床に落ちる。
蓮さんに嫌われたくない。嫌われるくらいなら死んだほうがマシだ。
だから彼が干渉されたくないというのなら、今までどおり距離を取ればいい。
彼の触れられたくない場所に無遠慮に踏み込むような真似をしなければいい。
そうすればきっと、彼との日々は続けられる……。
たとえ一瞬でも、ベッドの中で甘い夢を見られる。それでいいじゃない。
彼が私の部屋に来てくれるのなら――
最初から彼の心が手に入るなんて思っていないんだから。
なのに――
頭ではわかっていたはずなのに――
一度出たはずの社長室に、私は次の瞬間、飛び込んでいた。