早く気づけ、バカ。




ガラガラっと保健室の横引きのドアを開ける。



「お、どないしたーんって。

 あれ、絹やんか。」




保健室の先生、安川 翔_ヤスカワ ショウ_

通称しょーちゃん。

この高校の中の教師で一番若い21歳。


金髪の頭に、たくさんあいたピアス。

イケメン。怖そうな雰囲気なんて無いけど。

めちゃくちゃ優しい。

よくギターもって引き語りとかしてるから、女子から絶大な人気を誇る先生。

ちなみに、「んー。」が口癖。

そして関西出身だから関西弁。



「ちょっと、体調悪くて。」


「んー、熱測るなぁ?」


こつんっと自分のおでこを私のおでこにぶつける。



「ちょ、しょーちゃん//」



「んー、どないしたん絹。
 めっちゃ顔赤いでぇ?」


ニヤニヤ笑うしょーちゃん。



こんな保健室の先生は



「なぁ、俺のことちょっとは考えてくれたん?」




私のことが好きだそうです。




「しょーちゃん…。」


「まぁ、ええわ。赤坂のこともあるやろし。まだ待つよ。」


にっこり悲しそうに笑ったしょーちゃんに



胸がズキンっと痛む。



「智治のことはもういいんだ。あきらめる。無かったことにしたの。」




素直に伝えた。


なんだかしょーちゃんに申し訳ないような気がして。
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