早く気づけ、バカ。
「しょーちゃん、苦しい…。」
「だって、ほんま…めっちゃうれしいんやもん!!」
あのまま私をぎゅうっと抱きしめたままのしょーちゃん。
しょーちゃんの幸せそうな笑顔を見て少し胸が締め付けられた。
「風、強いね。」
びゅうびゅう吹く風。
窓がガタガタ揺れた。
「んー、せやね。
んあ、絹授業ええの?」
「うん。本当に体調悪かったからさ。」
「え、大丈夫なん?」
「うん、もう平気。」
なんでかな、
「しょーちゃんといると元気になれるね!!
いろんなパワーをもらえる気が、する?」
「な、なんやねんそれぇ、」
くすくす二人で笑った。
「疑問系やったし!!」
「んー?」
「うわ、それ俺の口癖やぁ!!
やばい絹めっちゃかわええ!!」
「そ、そんなことないよ!」
しょーちゃんに抱きしめられたまま
たくさんたくさん話をした。
次のテストの話だとか、中庭の花が咲いたとか。
たわいもない話。
君の面影すら思い出したくなくて
ひたすら、しょーちゃんと話し続けた。