早く気づけ、バカ。
それからというもの、
私は休み時間ごとにしょーちゃんの所へ向かった。
ほのも誘ったんだけど、なぜか拒否されたし。
「ラブラブはうっとい。」って言われたしね。
そのときのほのの顔を思い出して、
一人で少しだけ笑ってしまった。
ガラガラっといつもの調子で
保健室のドアを開けた。
「お、絹やーん。」
「絹でーす。お邪魔しまーす。」
「邪魔すんのやったら帰ってー。」
「ちょ、そんなん言ったら本当に帰るよ!!」
「いややー♪」
しょーちゃんがぎゅうっと私を抱きしめる。
その瞬間
なぜかココロが虚無に包まれる。
最近はいつもそう。
しょーちゃんに触れられるたび、
虚しさに包まれるんだ。
「絹ー??」
「あ、ごめんなんでもない。」
ひゅうっと風が吹いて
保健室のカーテンがめくれた。
「うわー、もう寒いな。」
「そうだねー、秋だもんね。」
気温はぐんぐん下がって、
もう冬のよう。
「もうすぐ文化祭やなー!!んー、あとは修学旅行か。」
「行事たくさんだね!!」
「せやね。俺は保険医やからぁ、修学旅行も付いていけるしなー。」
「あ、そうなんだ!!」
修学旅行も文化祭も
智治は優華ちゃんと回るんだろうな…。
なーんて。
私にはしょーちゃんがいる。
そう、しょーちゃんが…