Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
ケインも釣られて欠伸が出そうになったが、奥歯を噛みしめて喉の奥に閉じ込めた。
「マー伯トマスはどうだろう」
ケインの提案に、ゼクスが涙を拭いて視線を動かした。
「ハイランド貴族は、敷居が高いと知っているだろ?」
ゼクスの言う通りだ。ハイランド地方の貴族は何度となく交渉しても、人さらいのように無理やり人質をとっても、ダグラス軍に留まった。国王軍の言いなりにはならなかった。
それでもまだ交渉の余地はあると、ケインは考えていた。
「マー伯は、ハイランドで絶大な権力を持っている」
ケインの言葉に、ゼクスが顎髭を触った。朝に剃ったゼクスの髭は夜になり、茶色の毛が顔を出していた。
「マー伯が国王軍につけば、芋づる式で他のハイランド貴族も、こちら側に来るだろうな」
一呼吸を置いてから、ゼクスがケインの顔を見て口を緩めた。
深く考えなくても答は決まっているなと言わんばかりの表情をしていた。ケインとゼクスは頷き合った。
「マー伯トマスはどうだろう」
ケインの提案に、ゼクスが涙を拭いて視線を動かした。
「ハイランド貴族は、敷居が高いと知っているだろ?」
ゼクスの言う通りだ。ハイランド地方の貴族は何度となく交渉しても、人さらいのように無理やり人質をとっても、ダグラス軍に留まった。国王軍の言いなりにはならなかった。
それでもまだ交渉の余地はあると、ケインは考えていた。
「マー伯は、ハイランドで絶大な権力を持っている」
ケインの言葉に、ゼクスが顎髭を触った。朝に剃ったゼクスの髭は夜になり、茶色の毛が顔を出していた。
「マー伯が国王軍につけば、芋づる式で他のハイランド貴族も、こちら側に来るだろうな」
一呼吸を置いてから、ゼクスがケインの顔を見て口を緩めた。
深く考えなくても答は決まっているなと言わんばかりの表情をしていた。ケインとゼクスは頷き合った。