Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
一四四三年五月二十三日。午前十一時。ケインの執務室には五人の男が集まっていた。
ケインは椅子に腰掛け、円卓の周囲の椅子に着いている五人の男たちの顔を見ていった。
ケインから見て時計周りにゼクス、ジョーンの弟エドマンド、ケインの弟チャールズ、レッド・ダグラス家のジェームズ・ダグラスとジョージ・ダグラスが座っていた。
ケインを裏切り、反乱軍を立ち上げているダグラスはブラック家で、レッド家とはずっと対立の立場にあった。ブラック家とレッド家では互いの領土の奪い合いを繰り返していた。
支持する王族も違って、ブラック家は、今は亡きオールバニ公ロバートの一族を、レッド家はジェームズⅡ世の家系を支持してきた。
この五人を集めて、ケインは今後の対策を練ろうと考えていた。まず信頼できる人間と話を詰めてから、議会で発表しようと思っていた。
どこに裏切り者がいるか、わからない。ケインがハイランド貴族に交渉しているように、ブラック家のジェームズ・ダグラスもローランドの貴族たちに交渉を持ちかけているだろう。
議員の中にも、ブラック家のジェームズ・ダグラスと手を組んだ者がいるかもしれない。近々、戦をする旨を伝えたとしても、細かな内容までは直前になるまで発表したくなかった。
戦の直前まで、できるだけ多くのカードを用意しておきたい。一つのカードを見られたとしても、まだ他の方法を用意し、ブラック家のジェームズ・ダグラスの裏を掻いて、勝利したいとケインは考えていた。
だからこそ、信頼できる男たちの頭をフルに回転させ、カードを増やしたかった。
「もしかしたらロイ・クライシス伯爵が、我々を裏切るかもしれません」
エドマンドが口を開いた。ケインの隣いるゼクスが、身を乗り出す。
ケインも興味深い話に、エドマンドの次の言葉を待った。
ケインは椅子に腰掛け、円卓の周囲の椅子に着いている五人の男たちの顔を見ていった。
ケインから見て時計周りにゼクス、ジョーンの弟エドマンド、ケインの弟チャールズ、レッド・ダグラス家のジェームズ・ダグラスとジョージ・ダグラスが座っていた。
ケインを裏切り、反乱軍を立ち上げているダグラスはブラック家で、レッド家とはずっと対立の立場にあった。ブラック家とレッド家では互いの領土の奪い合いを繰り返していた。
支持する王族も違って、ブラック家は、今は亡きオールバニ公ロバートの一族を、レッド家はジェームズⅡ世の家系を支持してきた。
この五人を集めて、ケインは今後の対策を練ろうと考えていた。まず信頼できる人間と話を詰めてから、議会で発表しようと思っていた。
どこに裏切り者がいるか、わからない。ケインがハイランド貴族に交渉しているように、ブラック家のジェームズ・ダグラスもローランドの貴族たちに交渉を持ちかけているだろう。
議員の中にも、ブラック家のジェームズ・ダグラスと手を組んだ者がいるかもしれない。近々、戦をする旨を伝えたとしても、細かな内容までは直前になるまで発表したくなかった。
戦の直前まで、できるだけ多くのカードを用意しておきたい。一つのカードを見られたとしても、まだ他の方法を用意し、ブラック家のジェームズ・ダグラスの裏を掻いて、勝利したいとケインは考えていた。
だからこそ、信頼できる男たちの頭をフルに回転させ、カードを増やしたかった。
「もしかしたらロイ・クライシス伯爵が、我々を裏切るかもしれません」
エドマンドが口を開いた。ケインの隣いるゼクスが、身を乗り出す。
ケインも興味深い話に、エドマンドの次の言葉を待った。