空色の瞳にキスを。
朝日に輝く、そんなスズランの屋敷の屋上に、3人の姿があった。
「じゃあ、行くね。」
そう言ってナナセは荷造りしておいた旅行用の小さな鞄を片手で持ち上げる。
スズランに彼女は背を向けていて表情は見えないが、これから旅立つ少女の背中は心なしか広く感じた。
屋上の隅へと歩みを進める少女と隣を歩く少年の服が北風に吹かれてふわりと揺れる。
彼らの衣装はいつも身に纏っていた服とは違い、分厚い生地で作られた戦い易いように作られた軍の制服に近い構造の衣装。
アズキ達を助ける為には戦闘が起きると読んだスズランからの贈り物。
二人に合わせて作られた、彼女の想いの結晶。
「また、帰ってくるからね。」
屋上の柵を目指す歩みを止めて、スズランを振り返った彼女が言う。
いつもの切ない笑顔の中に微かに泣きそうな色が滲んでいたのを、獅子の少女は見落とさなかった。
きっと、彼女は自分を置いていくことに後ろめたさを感じている、と獅子の少女は思う。
けれど優先するものが、順位があることを知っているから、進もうとしてるんだ、とも思う。
そんな複雑な表情は見てか、ナナセは困ったような顔で、もう一言彼女は言葉を紡ぐ。
「…待ってて。」
そう言って弧を描いた彼女の唇と、強い光を宿した淡いスカイブルーの瞳が、送り出すスズランを強気にさせる。
隣に立つそんな銀髪の王女を見て黒猫も、鋭い金の瞳の中に優しい光を宿す。
ルグィンの帽子が風に吹かれてなびく。
強い意思を秘めた瞳をした黒猫を見て、獅子の少女はまた口を開く。
「ねぇ、ルグィン、彼女を守ってやってよね。」
「…当然。」
スズランの言葉を、当たり前のようにルグィン答える。
「言わなくても貴方は守るわね。」
そう言ってクスリと笑うスズランを見て、ナナセが怪訝な顔でルグィンに尋ねる。
「…なんであたしを守ってくれるの?
あたしを守っても損ば…」
言い切らないうちに、黒猫がナナセの額をはたいて小さく笑って言う。
「…なんでもだよ。」
言葉の真意は分からないままだが、自分を見下ろす微笑に銀の少女は言葉を失い何も言えない。
言葉に詰まったナナセがルグィンを見つめていると、視線に耐えきれなかった彼は遠くの空に視線をやる。
「じゃあ、行くね。」
そう言ってナナセは荷造りしておいた旅行用の小さな鞄を片手で持ち上げる。
スズランに彼女は背を向けていて表情は見えないが、これから旅立つ少女の背中は心なしか広く感じた。
屋上の隅へと歩みを進める少女と隣を歩く少年の服が北風に吹かれてふわりと揺れる。
彼らの衣装はいつも身に纏っていた服とは違い、分厚い生地で作られた戦い易いように作られた軍の制服に近い構造の衣装。
アズキ達を助ける為には戦闘が起きると読んだスズランからの贈り物。
二人に合わせて作られた、彼女の想いの結晶。
「また、帰ってくるからね。」
屋上の柵を目指す歩みを止めて、スズランを振り返った彼女が言う。
いつもの切ない笑顔の中に微かに泣きそうな色が滲んでいたのを、獅子の少女は見落とさなかった。
きっと、彼女は自分を置いていくことに後ろめたさを感じている、と獅子の少女は思う。
けれど優先するものが、順位があることを知っているから、進もうとしてるんだ、とも思う。
そんな複雑な表情は見てか、ナナセは困ったような顔で、もう一言彼女は言葉を紡ぐ。
「…待ってて。」
そう言って弧を描いた彼女の唇と、強い光を宿した淡いスカイブルーの瞳が、送り出すスズランを強気にさせる。
隣に立つそんな銀髪の王女を見て黒猫も、鋭い金の瞳の中に優しい光を宿す。
ルグィンの帽子が風に吹かれてなびく。
強い意思を秘めた瞳をした黒猫を見て、獅子の少女はまた口を開く。
「ねぇ、ルグィン、彼女を守ってやってよね。」
「…当然。」
スズランの言葉を、当たり前のようにルグィン答える。
「言わなくても貴方は守るわね。」
そう言ってクスリと笑うスズランを見て、ナナセが怪訝な顔でルグィンに尋ねる。
「…なんであたしを守ってくれるの?
あたしを守っても損ば…」
言い切らないうちに、黒猫がナナセの額をはたいて小さく笑って言う。
「…なんでもだよ。」
言葉の真意は分からないままだが、自分を見下ろす微笑に銀の少女は言葉を失い何も言えない。
言葉に詰まったナナセがルグィンを見つめていると、視線に耐えきれなかった彼は遠くの空に視線をやる。