空色の瞳にキスを。
「まさか…。」


サラの声が静かな部屋に嫌に響く。

そして左の横髪を掻き上げて、左耳を晒す。

そこには国民が無くしたと聞いていた、国の宝があった。

金色の土台に、鮮やかに青と白に輝く宝石が台座の上で輝いている。


驚きの事実に、サラを含めたこの場にいるリョウオウの民全員が驚きで、声も出せずに固まってしまう。


「それは──…。」


サラが驚きを隠せず、やっとのことで掠れた声を絞り出す。


「そう。祈りの耳飾り。

このままあたしが城に出向かなければ、あの豊作の祈りは失われるわ。」

複雑な顔でファイは、国民にとって驚きの事実を紡いだ。


「どういうことだい?」

サラは厳しい口調で少女に尋ねた。


「ルイの祈りの期限は、10年だと父さんが言っていました。

祈りが切れると豊作も、調子の良い商売もこんなに続かない。

この国は、ルイの祈りに支えられた国力が無くなれば、きっと今より危なくなるでしょう。


他国の戦争に今以上に取り込まれますよ。


…あたしはそんなこと、平和を望んだおじいさまの思いが壊されるなんて嫌で…。」


彼女はそこで声を切って、瞳を伏せ小さく首を振る。



「おじいさまの豊作の祈りの魔術を続かせる為には、ルイの血を継ぐあたしが要ります。

城にある祈りの水晶へ触れて儀式をしなきゃいけないんです。


儀式に要るのは、水晶とルイの血、それからルイの血を継ぐ人間。」


息を継いで、ファイはまた口を開く。


ファイの話は簡潔であまり詳しい説明は無い。

アズキは城の話に上手く付いていけず、少し困惑する。


それはトーヤやエリ達も同じようで、もうサラとファイの会話を聞いているしかなくなる。



「父さんが最後に水晶の儀式をしたのが、あたしが7歳の頃。

よく見ておけ、と言われて水晶の間に連れて行かれて、儀式を見ました。

それはちょうど、7歳の冬。」

ファイの瞳が青色から黒に戻る。

誰かが座り直して木製の椅子の軋む音が不気味に響く。


「あたしは今、16歳。

16歳の冬が今終わる。


だからあと、祈りが消えるまでちょうど1年。」


一番危機を覚えているのは、昔王城で神官をしていたサラ。


厳しい目でファイを見つめる。

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