空色の瞳にキスを。
「ねぇ、どうしたの?」

スズランが後ろから肩を掴めば、逆らわずに振り返った銀の少女。


少女の空色の瞳がひどく揺れていて、頬が赤くて。

振り返らせた、獅子の少女は用意していた言葉を見失い、固まる。

すぐにその表情が何から来ているのか、スズランには分かったが、教えはしない。


言い聞かせるよりも、自分で答えを見つけた方がずっと納得できるから。


「どうしたの?」

獅子の少女は柔らかい声で、銀髪の少女に答えを促す。


「なんでも、ないよ。」

口元を片手で隠すその仕草は、なんでもない訳がないことを物語っている。

寄せられた眉根と赤い頬を、隠し切れていない。

まだ掴むことの出来ないナナセににもどかしさを覚えながら、スズランは微笑む。

ナナセの強がりにスズランは合わせる。

くすり、と笑った栗色の髪の彼女に、ナナセは口を開いた。


「ありがとう、スズラン。

もう絶対着られないと思っていた、青のドレス。
着られて嬉しかった。

本当のあたしにもドレスを着せてくれて、ありがとう。」


青の色は、今の国では公式の場では着ることを許されない。

ナナセでなくても、着ることは叶わない。


「いいの。
似合って良かったわ。」

本当に幸せそうに笑ったナナセに、スズランも嬉しそうに笑った。

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