【BL】俺がお前にできること
4時間目までの授業も終わり、二人で屋上へ行く。
階段上る途中でトイレ行きたくなって郁馬に先に屋上へ行ってもらった。
近くにあったトイレに入って、出てきた瞬間見覚えのある先輩に会って、目があった。
やばいなーと思って一礼して出て行こうとしたら腕を引っ張られて、トイレの中に誘導されて鍵閉められた。
…こんな臭い空間で密室とか、嫌なんだけど。
郁馬が待ってるのに……
「離してください……剛さん」
キッと睨みつけても表情を変えないから、こわい。
たくさん助けられたけど
たくさん試されてきたような気がする。
俺の気持ちは叶わないって、バカにされたような気がする。
だから、分からないんだ。
「離すわけないだろ?…まさか、郁馬くんと上手くいくとは思ってなかった。同情でもされた?」
「…っ、そんなんじゃありませんよ」
この人は…、本当は何がしたいのか、わからない。