【BL】俺がお前にできること
しまいには、顔近付けてきて
ちゅっとリップ音が聞こえる始末。
まあ、顔背けたから、口へのキスは免れたけど…
「…っ、やめ…! どうしたんですか、剛さん!」
「…わかんない? 肝心な時に鈍いよな、翔太くんは」
「“鈍い”?…何のことを言ってるんですか」
剛さんの口を両手で抑えて自分に近づかないようにする。それを良い事に、剛さんは空いた手で俺の制服のボタンを外し始めた。
やばい…
やばいって…
片手でボタンを外す手を阻止したら
剛さんの口を抑えていた手をぺろりと舐められて
俺の目を見て言うのだ。
「好きなんだよ、翔太くんが」
その切なげな声が、この個室に響いて
俺の耳から離れなかった。