Hurly-Burly 4【完】
決して、甘やかすような言葉なんてかけなかった。
優しくしてくれるわけもなかった。
可愛いだなんて糞でも思わなかった。
ただ、多分あのまま誰にもほっとかれて生きていたら
俺は死んでたかもしれない。
あー、違うか、心はとっくに死んでた。
だから、誰かに目を覚ませって殴られたかったのかもしれない。
『そんな自分は捨ててしまえ。』
ガキのくせに無駄に知識あって、大人でもない癖に
いっちょ前の口を叩いてその癖正しいことばっかり言いやがった。
10も違うはずだったのに自分の方がずっと子供だと思った。
『生まれ変わればいい、心はいつだってあんたと一緒に
成長するもんだ。報われないと思ってるなら努力をしろ。
出来ないことなんてない。やろうとしないから出来ない。
最初から諦めてるようじゃ青年大人にはなれんのだよ。』
なぁ、朔。俺、お前には一生頭が上がらねぇよ。
けどな、ひーちゃんは俺の人生を変えた子だ。
あの子が居なきゃ、俺はずっと糞みたいな人生送って
お前に救われた命も多分ドブに捨ててたようなもんだ。
何で俺なんかを救ったのかただの気まぐれだって言うなら
それが最もらしい。
でもな、多分あの子は恐ろしいぐらい優しい子だ。
言い方とか態度とかそんなものはただの見せかけだ。
どんな馬鹿でも受け止めようとするだろうし、
酷い人間だろうと手を差し伸べようとする。
悪知恵働くやつすらもただ純粋にほっとかない。
この世で最も綺麗でしなやかな心を持って、
真っ直ぐ向き合って来るんだろう。
『お前にはひーちゃんやらないよ?』
『分かってる、俺には“ ”みてーに
幸せにはしてやれねぇよ。』
だから、俺はこの世で――――――
どんなに探したって無意味だ。
あの子はこの世で最も恐ろしい子だ。
そして、もうとっくに分かってんだ。
俺はこの世で一番あの子が欲しい。