ぬくもりをもう一度
ここまで強引な女は、初めてだ。


こんなにしつこくされるのなら、

あの時の食事をきっぱりと

断っておくべきだった。


今更そう思っても、

もう遅いのだけれど。


俺に向かい合うようにして座った

野々原は、

頬を赤らめながらなにやら

もじもじとし始める。


「どうしたんだよ?」


その姿があまりに滑稽にうつって、

思わずそんな言葉がもれる。


しかし、俺の冷たい言葉も、

今の野々原には特に気にならないようだ。


照れたように笑うと、

野々原は用意していたバッグから

なにやら取り出す。


「私のオススメのお店は……ね。

 これなんだ」







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