ぬくもりをもう一度
野々原の最後の言葉は、

周りの雑音に埋もれてしまって

聞き取れなかったけれど、

俺がそんなに

気に入られているなんて、

想定外だ。


なるべく人に

接触しないようにしている俺が、

モテるだと?


涼しい顔をして

ウェイターが運んできた

料理を口に運ぶ。


今日のメインは、

どうやら魚らしい。


「周りが思っているほど、

 俺はいいヤツじゃないよ。

 だから、止めておいた方がいい」


美味しい、

と小さく歓喜の声を出してから、

野々原がにこっと

微笑みかけて言う。






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