ぬくもりをもう一度
膝にふわりとかけていた

真っ白い布を手に取る。


もうコースも堪能したことだし、

これ以上、

俺がここにいる理由などない。


「いや、帰るよ。

 これ以上いたら、

 きっと野々原さんに

 期待させてしまうだろうしね」


慣れない微笑を浮かべて、

野々原にさよなら、と告げる。


元々、断るつもりでいた食事だ。


2時間も3時間も一緒に過ごしたら、

野々原が勘違いしてしまっても

おかしくはない。


それだけは、避けたかった。






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