ぬくもりをもう一度
カシスオレンジの甘い香りを

漂わせながら香澄がこくんと頷く。


「そうだったね。

 なんとかなりそうな講義の時とか、

 よく2人でここに来たよね。

 懐かしいな」


「あぁ、懐かしいよな。

 ところで香澄はさ、

 今何してるんだ?」


よくある話の流れで

さらりと問いかけた瞬間、

にっこり微笑んでいた

香澄の顔が曇った、

ように俺には見えた。




< 81 / 297 >

この作品をシェア

pagetop