ぬくもりをもう一度
「そっか。

 ……もっと早く再会出来てたら

 よかったのにな……」


「ん、何か言ったか?」


「ううん、何でもないよ。

 亨くんすごく素敵な人だから、

 彼女がいないなんて

 もったいないなぁって」


優しく微笑みながら言う

香澄の表情に、

なんだか少し陰りを感じる。


今、香澄は確かに何かを呟いた。


けれども、

カラオケの大きなBGMの中に

かき消されてしまって、

俺の耳に届くことはなかった。


一体、香澄は

何を言っていたんだろうか。




< 92 / 297 >

この作品をシェア

pagetop