ぬくもりをもう一度
大分酔いが

回ってきたのだろうか。


頬を赤らめた香澄が、

よりおっとりした口調でそう言うと、

マイクを握り締めた。


香澄はふんわりと微笑んでから、

目を細めてゆったりと歌い始める。


その曲は、

俺とは対照的な失恋ソングだった。



その人のことが

好きで好きでたまらないのに、

別れを切り出してしまい、

その人の幸せをそっと祈り続ける―――







< 97 / 297 >

この作品をシェア

pagetop