冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】


クラリと、目の前が暗闇に覆われそうになった
その時、


「……なんか、甘い香りがする」

綺麗な声が告げる言葉。



ドクン、


甘い香り、


それは――




「ドーナツ、実織ちゃんからキミへのお土産らしいよ?」


背後から聴こえた声に、
一気に現実へと呼び戻された。


ツンとした消毒の匂いと
香ばしい珈琲の香りが、


私を呼び戻した。




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