冷たい雨に咲く紅い花【後篇ーside実織ー】
紅く染まった紘夜のジャケットと、
夕綺さんの牡丹の花を受け取った、
あの日、
一旦車に戻って、と
吉水さんに言われ車の扉を開けると、
そこには、
「ミ、オリ……?」
夕綺さんが、苦しそうな息づかいで私の名を呼んだ。
「――え?」
“真影夕綺は、亡くなった”
たしかに、
ついさっきそう聞いた。
でも、
苦しそうではあるけど、
間違いなく、
夕綺さんは、生きていた。
「どうして――」
嘘を……!?
そう思って後ろにいた吉水さんを振り返ると、
「嘘をついたことは謝る。でも、紘の行方が分からない以上、
真影夕綺はこのまま死んだことにした方がいい」
「どういう、事……ですか?」