青空バスケ―番外編―
南雲先輩も大和のイラつきにはさすがに気づいてるみたいで、ようやく大和に答えを返す。
「チワワなら、俺の目の前で泣いてるけど」
《チワワ?泣いてる?
あー……もう!
そっちにいるんだな!》
「……で、お前こっちに来てどうすんの?」
《は?》
「何で泣いてんのか、お前分かってんの?
分からないまま来たって、ムダだぞ」
電話の向こうで大和が息を飲むのが分かった。
大和が少しの間黙り込む。
大和が黙ったおかげで聞こえてくる外の音。
踏み切りの音が聞こえてくる。
この辺の踏み切りといったら……。
それを考えていると、大和が喋り出す。
《……分かってるよ》
そんな大和の答えを聞いた岬が顔を上げて俺の方を見る。
《……分かってるから探してんだろ。
急に訳分かんないまま飛び出していって、しばらくほとぼりが冷めるまで放置しておこうと思ったのに……》
ふぅ、と大和が一呼吸置く。
緊張感が漂う室内。
みんながじっと俺の方を見つめ、大和の言葉に耳を傾ける。
《……ほっとけるわけねぇだろ。
……栞奈一人じゃねぇんだから》