青空バスケ―番外編―
……知ってたのか。
岬の大きな瞳が揺れる。
大和がどうやって知ったのかは分からないけど、岬の妊娠を知って今大慌てで探している。
《……栞奈は?
今どうしてる?》
少し落ち着いたのか、さっきまでとは打って変わって静かな口調で尋ねてくる。
「さっきまで泣いてた。
けど、今は落ち着いてる」
電話の向こうから近所のコンビニの開閉音がうっすら聞こえてくる。
さっきの踏み切りよりは確実に近づいてきている。
《すぐ行くから。
悪いけど、もう少しだけ頼むわ》
大和の声を聞きながら、俺は南雲先輩の指示を見る。
「で、来てどうすんの?」
さっきと同じ質問。
さっきはイライラして答えてはくれなかったけど。
《どうするって……》
続く指示を見て、俺は言葉にすることをためらう。
え……今それを聞くの?
ここで?
それ、俺が聞くの?
岬が自分で聞くべきなんじゃ……。
そう思ったけど、先輩は早く言えと急かしてくる。
逆らえなくて、仕方なく口にする。
「……まだ早いんだよな?」
《は?》
「そんな余裕、ないんだよな?」
《おま……それ……》