赤い月 肆
「オヤジ、結界は?」
「張れるか!!
先にこのじゃじゃ馬をなんとかしてくれ!!」
薫の言葉に、氷室が悲鳴を上げて助けを求めた。
百戦錬磨のオニ狩り僧も、雌豹には手を焼くらしい。
恐るべし、女子高生。
「高杉!!」
景時に気づいた祥子が動きを止め、泣きそうな顔で彼を呼んだ。
「私…
私が大吾とはらわたで夢だったから、姐御がケガしてンの!!」
前半意味不明。
後半を途中まで聞いた景時は、返事もせずに扉に駆けた。
躊躇することもなく青い炎を突っ切り、体育館に飛び込む。
「オヤジ、ココは俺らに任せてジジィのトコ行ってきて。
オニ減ってるみてぇだし、もう三分もかかんねぇよ。
校内放送、頼むわ。」
「おー、助かるわ。
…オニよりコエぇな。」
心底ホっとした様子の氷室は薫の耳にそうそっと囁いて、祥子を解放した。