LOVE PRINCESS(美鶴&琴)
「えっ?」
それを見てた私の腕を痛いくらいに引っ張り、隣の大きな一戸建ての家に入る美鶴。
さっきの鍵……ここの家だったの?
中を知ってるかの様に進み1つの部屋に入った。
静かにドアを閉め、やっと離してくれた腕が熱い。
強く握られてた部分を自分の手で押さえ、その場から動けない。
「琴さん……俺、あの時。あの再会した時、決めたんだ。もう絶対離さないって」
「み……つる?」
顔を上げると真剣な顔をして、真っ直ぐに私を見つめてた。
そんな目を直視する事が出来ない。
「琴さん、どうせ家の事でしょ?
俺わかってたんだ。
琴さんに言ったら、絶対こうなるって……」
「えっ?」
「だからさっき、呼びに来てもらうまでは、俺が先に親を説得して……。
それから迎えに行こうって思ってたんだけど。
やっぱり今じゃなきゃ……前みたいになるって思ったんだ」
そう言った美鶴の顔が凄く哀しそうで、凄く寂しそうで。
あぁ、私……また同じ事してしまったの?
また同じ苦しみを与えてしまったの?