LOVE PRINCESS(美鶴&琴)


「逃げないの? 琴さん」

「……」

「逃げないで、琴さん」

「……」


美鶴わかってたんだね。

私が逃げてる事、わかってたんだね。


こんな自分勝手な女のどこがいいの?


私は、私が大嫌いなのに。
でも私は私を守ってしまう。

それは、私が私を大好きだから。


でも、それ以上に好きな……愛しい貴方を選択してもいいの?


その手を取って本当にいいの?
後悔しない?

後悔するのは、私じゃなくて美鶴だよ?


「俺頑張るから。何があっても守るから……信じて?」


そっと差し出された手を見ながら涙が溢れた。

下唇を噛んで我慢しても、ポロポロ零れてしまう。


「自分を責めないで? 俺が。琴さんを好きになった俺を責めればいいよ?」


何言ってるのー……?

そう思ってあげた目を、美鶴と絡めてしまった私の負けだね。


もう止められないー……。


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