野球嫌いなあたしと、先輩。
「……なんだ」


予想通りなのに、喜ぶ気は起きない。


やっぱり、大嫌いなアイツ。

皆川誠二郎。


この季節、朝はだいぶ肌寒いのにあの汗の量。

いったいいつから練習してるのか。


「アイツも野球バカじゃん」


智と同じ。

でも、いろんな意味で智とは正反対なんだろう。


だからきっと、智に厳しくしてしまう。


アイツと少しだけ会話するようになった今、あのバカの不器用さが分かった。

それに……なんとかしたいって気持ちも伝わってくる。
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