火ノ鳥山の渇人
ナナシの四方にいた火の鳥達が一斉に円を書くように飛び回る。するとナナシがギャアと叫びながら頭を押さえる。といっても右半分は再生途中で左手でしか頭を抱えられない。
「うぇぇ…アタマが…アタマが!!」
ペドロはもう一息つく、そして二息目の途中で言う。
「残念です。また幼少に戻ってもらいます。今度は海、はたまた雲の上に置くとしましょう。何年、何十年かけて心を清潔にしその頃また来ます。さようなら。」
後ろからドスっと音がする。ペドロはゆっくり後ろを向く。
ナナシの千切れた右半身から枝が延び、かつ先端を尖らせ、槍のような形でペドロの腹を貫いたのだ。
「な、くそ……こんなイタチの最後っぺに中枢を壊されるとは。……まぁ良い、私の役目は果たせたんだ。」
「へっへっへ…お前と相打ちたぁ俺もヤキが回ったもんだな。」
「相打ち?わかりませんね。火の鳥達はあなたを幼少に戻すまで止まらない。こちらの目的は果たせている。
それに相打ちと言っても私は分身であなたは……!」
ナナシはまたいっそういやらしく笑う。ナナシを囲む火の鳥は変わらず回っているのに、もう痛がる気配もない。
「察しの通り、俺も分身さ…」
ナナシの顔がボロボロ崩れいく。
ペドロは驚き愕然とした。なぜ?私は【例の事案】の後も信仰を絶やさず、法力に付いても修行を怠らなかった。なのに何で!さっきまで寝ていた人間と互角の決着を!
ナナシはもう笑っていない。ツカツカとペドロに近づき喋り出した。
「うぇぇ…アタマが…アタマが!!」
ペドロはもう一息つく、そして二息目の途中で言う。
「残念です。また幼少に戻ってもらいます。今度は海、はたまた雲の上に置くとしましょう。何年、何十年かけて心を清潔にしその頃また来ます。さようなら。」
後ろからドスっと音がする。ペドロはゆっくり後ろを向く。
ナナシの千切れた右半身から枝が延び、かつ先端を尖らせ、槍のような形でペドロの腹を貫いたのだ。
「な、くそ……こんなイタチの最後っぺに中枢を壊されるとは。……まぁ良い、私の役目は果たせたんだ。」
「へっへっへ…お前と相打ちたぁ俺もヤキが回ったもんだな。」
「相打ち?わかりませんね。火の鳥達はあなたを幼少に戻すまで止まらない。こちらの目的は果たせている。
それに相打ちと言っても私は分身であなたは……!」
ナナシはまたいっそういやらしく笑う。ナナシを囲む火の鳥は変わらず回っているのに、もう痛がる気配もない。
「察しの通り、俺も分身さ…」
ナナシの顔がボロボロ崩れいく。
ペドロは驚き愕然とした。なぜ?私は【例の事案】の後も信仰を絶やさず、法力に付いても修行を怠らなかった。なのに何で!さっきまで寝ていた人間と互角の決着を!
ナナシはもう笑っていない。ツカツカとペドロに近づき喋り出した。