恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
それからはあっという間。
武藤くんが振り返りざまに屈んで突き出した肘が竹田の鳩尾(みぞおち)に入り、即座に竹田の手を目掛けて長い脚を蹴り上げると、パイプは宙を舞って地面に転がり落ちた。
その早業を、私はただ口をぽかーんと開けて見ているだけだった。
またしても呻きながら膝をガクンと折り曲げた竹田を、武藤くんは一つ息を吐いて見下ろす(見下す?)。
「僕は血を見るような野蛮なことはしたくないんですよ。あんた達に手を上げる価値もない。
でも、今度また先輩に手を出そうとしたらその時は…
病院予約しといた方がいいですよ?」
武藤くんとは思えない発言に私の方が固まり、その言葉とは裏腹にニッコリと笑う彼に思わずゾッとしてしまった。
武藤くんが振り返りざまに屈んで突き出した肘が竹田の鳩尾(みぞおち)に入り、即座に竹田の手を目掛けて長い脚を蹴り上げると、パイプは宙を舞って地面に転がり落ちた。
その早業を、私はただ口をぽかーんと開けて見ているだけだった。
またしても呻きながら膝をガクンと折り曲げた竹田を、武藤くんは一つ息を吐いて見下ろす(見下す?)。
「僕は血を見るような野蛮なことはしたくないんですよ。あんた達に手を上げる価値もない。
でも、今度また先輩に手を出そうとしたらその時は…
病院予約しといた方がいいですよ?」
武藤くんとは思えない発言に私の方が固まり、その言葉とは裏腹にニッコリと笑う彼に思わずゾッとしてしまった。