恋……シヨ?‐武藤 雅晴編‐
急に津波のように寂しさが押し寄せる。


これからも今みたいに…今以上に一緒にいられると思ってた。

それもあと二年とちょっとってことなんだ……。



「…だから、高校の時くらいは心花先輩の近くにいたいなと思って」



女々しいかな、と言って武藤くんは笑うけど私は首を横に振った。


そんなこと思わない、嬉しいよ。

すごく嬉しいけど……すごく寂しい。



急にタイムリミットが決まったような気がして泣きそうになっていると、教会でしたのと同じようにまた温かい手が私の頬に添えられる。



「…そんな顔しないで」



目線を上げると、武藤くんはいつものように優しく微笑んでいた。


なんでそんなに大人なんだろう…

武藤くんは寂しくないの?


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