今夜 君をさらいにいく【完】
力強い手で握られた腕はびくともしない。壁に体を押し付けられた。
「もちろん、この事はバラすつもりはないよ」
ニヤケついた顔が私と数センチほどの距離にある。気持ち悪くて身震いした。
「本当ですか・・・ありがとうございます・・・」
「・・・君が黙っていてくれれば・・・だけどな」
そう言って、左手で胸を強く揉んできた。
「きゃっ!」
突然の事に声を上げると、手で口を塞がれた。
「黙っていてほしいのなら言う事聞きなさい」
「・・・っ!!?」
「あの店ではこれ以上の事をやってるんだ。このくらい君にはどうってことないだろ」
卑猥な目で私を見つめ、今度はお尻をスカートの上から触ってきた。
さわさわ撫でてくる手付きが気持ち悪い。
騒ぐこともできない。もしあの店で働いている事がバレたら・・・私はこの会社にはいられない。
でも・・・このまま部長の言いなりになんてなりたくない。
その時、女子社員の明るい笑い声が近付いてきて、部長の体が離れた。
私はホッと胸を撫で下ろす。
「私が言うか言わないかは君次第ってことだ。また楽しませてくれよ」