今夜 君をさらいにいく【完】

藤本さんがこんなに怒るのも無理ない。この忙しい時期に困らせるような事ばかりしてしまうなんて。自分が腹立たしい。



私はお店に連絡し、休みをもらった。

そしてすぐに修正に取り掛かったが、全部確認すると12件どころか何十件も入力ミスがあった。こんなの何時に終わるのかもわからない。


お客様が留守電だったり、仕事だからと21時以降に再度掛け直してくれと言われると、それまで待たなければならなかった。
しかし今日中に終わらせなければ発送も遅れてしまう。


窓の外はすっかり暗くなっていた。


時計の針は22時を差している。


誰もいなくなったセンターの電気は、私の真上しか付いていない。



「あとは倉本さんと田中さんと舘林さんと連絡がつけばオッケーか・・・」



こちらの入力ミスということで、中にはすごい剣幕で怒ってくる人もいる。仕方がない事だが、怒鳴られるとすごく落ち込んでしまう。




ガチャ・・・



その時、センターのドアが開く音がした。


私は驚いて入口の方に目をやると、そこには黒崎さんがいた。



「桜井、まだ残ってたのか」



少し疲れた様子でデスクへと向かう黒崎さん。


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