今夜 君をさらいにいく【完】
ハッと目を覚ますと、目の前に缶コーヒーが置かれていた。
や、やばい!寝てしまってた!!
顔を上げると、黒崎さんが自分のデスクで資料を見つめながら缶コーヒーを飲んでいた。
「く、黒崎さん!?」
てっきり帰ったのかと思っていたのにどうして・・・
「よぉ、起きたか。仕事中に爆睡するなんてお前らしいな」
私の顔を見て意地悪そうな笑みを見せる。
「す、すいません!あ・・・あと一件電話しないと!」
「俺がしといた」
「え!?」
「倉本さんだろ?俺が確認しといたから」
目線は資料に向けたままの黒崎さん。
倉本さんの住所欄を見ると、しっかりと入力されている。いつの間に掛けてくれていたんだろう。
「・・・申し訳ありません」
私は俯いて誤った。
「ああ。それより飯まだだろ?食えよ」
黒崎さんが私のデスクを指差す。
パソコンの横には缶コーヒーと、吉野家の袋が置かれてあった。
「え・・・買ってきてくれたんですか!?お、お金・・・いくらでした!?」
「ん。金はいーから食え。冷めるぞ」