今夜 君をさらいにいく【完】




ハッと目を覚ますと、目の前に缶コーヒーが置かれていた。



や、やばい!寝てしまってた!!



顔を上げると、黒崎さんが自分のデスクで資料を見つめながら缶コーヒーを飲んでいた。



「く、黒崎さん!?」



てっきり帰ったのかと思っていたのにどうして・・・



「よぉ、起きたか。仕事中に爆睡するなんてお前らしいな」



私の顔を見て意地悪そうな笑みを見せる。



「す、すいません!あ・・・あと一件電話しないと!」


「俺がしといた」


「え!?」



「倉本さんだろ?俺が確認しといたから」



目線は資料に向けたままの黒崎さん。


倉本さんの住所欄を見ると、しっかりと入力されている。いつの間に掛けてくれていたんだろう。



「・・・申し訳ありません」



私は俯いて誤った。



「ああ。それより飯まだだろ?食えよ」



黒崎さんが私のデスクを指差す。


パソコンの横には缶コーヒーと、吉野家の袋が置かれてあった。



「え・・・買ってきてくれたんですか!?お、お金・・・いくらでした!?」


「ん。金はいーから食え。冷めるぞ」



< 90 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop