今夜 君をさらいにいく【完】
白いふわふわのバスタオルを渡され、バスルームに向かった。
バスルームの中も綺麗で、同じボディソープやシャンプーを使っていると思うだけで嬉しくなる。
私は体の隅々まで熱心に洗った。
お風呂から上がると、黒崎さんはリビングの大きいソファーに座ってTVを見ていた。
私が上がった事に気付くと、「俺も入ってくる」と言ってソファから立ち上がった。
「あ、寝室はこっちだから。先に寝てていいぞ」
リビングの隣にあるドアを指差し、黒崎さんはバスルームへ向かった。
え、寝てていいの?
少し拍子抜けしたが、私はリビングで少しTVを見てから寝室に行った。
8畳ほどの寝室も、綺麗に片づけてある。
学生時代の男友達の部屋は、服を脱いだら脱ぎっぱなしで、足の踏み場もないくらいに物が散乱していた。同じ男でも、こうも違うものなのだろうか。
一人暮らしなのにダブルベット。
その時、藤本さんの顔が浮かんだ。嫌な事を想像してしまう。
私はベットの中に入った。黒崎さんの香りがする。とても優しい匂いで心地よい。
しばらくしてから黒崎さんが寝室に入ってきた。
私は寝れるはずもなく、広いベットの端の方で小さくうずくまっていた。