溺愛カンケイ!

「それは分かってます。でも会社に迷惑をかける訳には…」

俺のプライベートな事で会社に損失を与える事は出来ない。

だが、正直もう身動きが取れなくなっていた。


「拓也、これ以上向こうが取り引きを条件に言ってくるならこちらも出方を考えないといけない。上に話を持っていき社長と今後の取り引きについて考え直す様にする」


「部長、それはいくら何でも…『拓也、そんな卑怯な事を言ってくる会社と今後取り引きするとうちの社長が言うと思うか」

言葉を遮り強い口調で部長は言う。


「いえ、思いません」

首を振る。
社長は卑怯な事が何よりも嫌いな人だというのはよく知っている。


「そうだろ。常に誠実であれと言うのが社長の口癖だ。で、どうする?」

部長は答えを求めてくる。

俺がやらなければいけない事、それはひとつしかない。

「アポイントを取って専務にキッチリ話を付けてきます」

「そうだな、取り引きの話をされたら今言った事を向こうに伝えればいい。俺はいつでもその準備をしておく」

満足そうに笑い、手をグーにして俺の肩をトンと小突いた。
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