シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「でも……五十嵐さんばかりがツラくて耐えられません」
「でも、俺の事を気にかけてくれる人もいるから。
ここのマンションのオーナーとかね」
「あ……そういえば管理は形だけとか言ってましたよね?」
「そう。ここのオーナーは母親の弟で俺にとっては叔父にあたる人なんだ。
俺が芸能界を引退するって知ってその話を持ってきてくれて、その好意に甘えてる。
まぁそんないい加減な誰にでもできる仕事だから、葉月には無職の怪しいヤツに見えるだろうけど」
今はそうは思わないけど、最初は確かにそんな事も思っていたから、否定できずに苦笑いをもらす。
「とにかく、そういうわけだよ。
記事もうまくできてたし、迂闊な事した俺も悪かったんだって後で思ったし」
もう過去の事だよと笑う五十嵐さんに、なんだかもやもやしてうまく笑えない。