シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「葉月が甘えさせてくれるなら、もう一度くらいスクープ撮られてもいいかな」


そう言った後、五十嵐さんは「もう俺にそんな価値ないけどね」と笑う。


「価値がないのは私の方です。
……なんで私なんかに拘るんですか?」


五十嵐さんが顔を離して、不思議そうに私を見上げてから笑った。


「俺にはなんで葉月がそんなに“私なんか”って言うのかが不思議だけどね」
「だって、あまりに違うじゃないですか。
五十嵐さんはテレビに映るほど魅力のある人なのに、私はただのOLだし不釣……」
「不釣り合いとか言ったら今すぐ押し倒すよ」
「……私はただのOLだし普通だから」


“ふつ”で始まる他の言葉をなんとか当てはめると、五十嵐さんは残念、と微笑む。


< 194 / 313 >

この作品をシェア

pagetop