シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「相談した人には、普通の男と普通の女なんだから何の問題もないって言われましたけど……。
やっぱり、なんでだろうとは思っちゃって。
五十嵐さんはすごく優しいし大事にしてくれるから、気持ちを信じてないとかじゃないんです。
ただ、不思議なだけで」


胸の内を説明すると、五十嵐さんは少し考えた後、葉月が納得いく事が言えるかは分からないけどと前置きをして。

芸能界って場所に疲れて、叔父さんにここの管理人って立場をもらって引っ越してきたけど、なんとなく自分の居場所って感じがしなかった、そう話し出す。


「自分で何一つ苦労せずにもらった場所だったからだろうけど。
そんな場所で人の目を気にしながら生活をして……そんな事を一週間二週間って続けていたら、自分の存在はないに等しいモノに思えてきたんだ」


私を隣に座らせた五十嵐さんは片手を私の肩に回して、目を伏せたまま話す。

表情にはわずかに微笑みが浮かんでいたけれど、どこか遠くでも見つめているように儚く見えた。

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