シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「俺にはその態度が嬉しかったんだ。
それから何度かポストで一緒になって、その度に葉月は笑顔をくれて、葉月と会うと自分がいる場所が分かる……って言い方もおかしいかもしれないけど、そんな感じだった。
宙に浮きそうになるのを、葉月が現実に引き留めてくれてる感じだった」


確かに思い返してみると、ポストで会う五十嵐さんはいつも顔色が悪かったりした気がする。
その時は、疲れてるのかなってぐらいで深く気に留めたりはしてなかったけど……。

五十嵐さんは、そんな思いでいたんだ……。
そんな風に考えると、もっと気の利いた言葉をかけてあげればよかったと後悔する。

五十嵐さんは、救われたみたいな事を言うけど、私はただ近所づきあいのつもりで普通に挨拶をしていただけだから。
五十嵐さんが私の事をそんな風に思ってくれてたなんて、なんだか申し訳ない。



< 197 / 313 >

この作品をシェア

pagetop