シークレット ハニー~101号室の恋事情~
「そうですね」
不安だとか恥ずかしさはあるけど、今までの噂とはわけが違う。
純粋に考えれば、こんなに幸せな噂は初めてだ。
「でも、部長も思い切った事しますね。公言だなんて」
まだ誰も出社していない監査課室に入りながら言うと、五十嵐さんが不思議そうに私を見た。
「叔父さんもすぐに話に乗ってきたけど、最初に公言したいって言い出したのは俺だよ。
葉月と付き合い始めて少し経った頃から、叔父さんとはそういう方向で話進めてたんだ」
「え……っ、なんでわざわざ五十嵐さんから……?」
五十嵐さんから言い出さなければポスター止まりでよかった話なんじゃ……。
そもそも、公言するって話がなければ、五十嵐さんだって昨日野田の前に現れなかっただろうし。
そうすれば何の問題もなく終わってた話に思えて、戸惑いながら見上げた。
「ああ、だって、はっきりと公言すれば葉月も俺から離れていけなくなるだろ。
別れたりしたらまた噂が立つから」