青色キャンバス
「わかってなかったみたいだな。
お前、さっきから気持ち悪いくらい先輩、先輩呟いてたぞ」
「は、俺が…ですか?」
だとしたら俺、すごく気持ち悪いな。
しかも聞かれてるとか……笑えねぇ。
「何だ、ついに本当の春が来たか?」
「ちょっ…"本当"のって何ですか」
「お前の春はいつも本気じゃなかっただろ。心配事か?」
確かに、いつもは遊びで終わらせてた。
でも今は………
最初は興味だった。
美術室でただ涙を流して立ち尽くす綺麗な女に……
次は意地だった。
どんな女だって俺に近づいてきた。
誰だって落とせる自信があった。
でも、先輩は俺なんか見てなくて…
今は…先輩を……
「本気なんです、今回は……」
今は、今までないくらい一人の女を想ってる。
多分これが初恋かもな。