青色キャンバス



「わかってなかったみたいだな。
お前、さっきから気持ち悪いくらい先輩、先輩呟いてたぞ」


「は、俺が…ですか?」


だとしたら俺、すごく気持ち悪いな。
しかも聞かれてるとか……笑えねぇ。



「何だ、ついに本当の春が来たか?」

「ちょっ…"本当"のって何ですか」

「お前の春はいつも本気じゃなかっただろ。心配事か?」



確かに、いつもは遊びで終わらせてた。
でも今は………

最初は興味だった。
美術室でただ涙を流して立ち尽くす綺麗な女に……


次は意地だった。
どんな女だって俺に近づいてきた。
誰だって落とせる自信があった。
でも、先輩は俺なんか見てなくて…


今は…先輩を……



「本気なんです、今回は……」


今は、今までないくらい一人の女を想ってる。


多分これが初恋かもな。









< 138 / 214 >

この作品をシェア

pagetop